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世界最古の藻類といわれるスピルリナは、50種類もの栄養素を含有するスーパーフード。その栄養成分の豊富から注目を集め、NASAやJAXAの研究対象にもなっているほどです。
飢餓や栄養不足撲滅の手段としても期待されるスーパーフード、スピルリナとはどのようなものなのか、期待される効果に迫っていきます。
スピルリナがスーパーフードといわれる理由
「50種類以上の栄養素がバランスよく含まれている」これが、スピルリナがスーパーフードとされる所以です。一般社団法人日本スーパーフード協会では、以下の基準を満たしている食品をスーパーフードとして定義しています。
- 栄養バランス・栄養価が一般食品より優れている
- 料理の食材と健康食品の用途をあわせもつ
- 何世紀にもわたって人々の健康に寄与してきた食品であること
※一般社団法人 日本スーパーフード協会より抜粋
スピルリナは上記の定義・基準を満たした高い栄養価を持つ食品であり、健康面において優れた効果をもたらす多くの研究結果が報告されていることから、スーパーフードとして近年注目を集めているのです。
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スピルリナとは
スピルリナは世界最古の植物といわれている藻の一種です。スピルリナとはラテン語で「ねじれる」「らせん」を意味しており、その名のとおり細胞が「らせん」状にねじれた形状となっています。
健康や美容に効果的とされる栄養素を豊富に含んでいるだけでなく、培養に水を多く必要としないことから、飢餓や栄養不良を撲滅させる手段としても期待が寄せられています。
スピルリナに含まれる栄養
スピルリナには下記のような栄養素、成分が豊富に含まれています。
栄養素 | 成分 |
---|---|
アミノ酸 | イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、シスチン、フェニルアラニン、チロシン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン、グリシン、ブロリン、セリン |
ビタミン | β-カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、ビタミンK、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸 |
炭水化物 | 糖質、食物繊維 |
ミネラル | 鉄、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、リン、銅、マンガン、亜鉛、コバルト、イオウ、クロム |
脂質 | リノール酸、γ-リノレン酸 |
その他 | イノシトール、フィコシアニン、ゼアキサンチン、クロロrフィルα核酸、SODなど |
特にタンパク質は50%前後と豊富に含有されており、タンパク質食材の代表格である牛肉(30%前後)や、卵(12%前後)と比較してもスピルリナのタンパク質含有量は突出して多いことが分かります。
他の栄養素に関してもバランスよく含まれているため、健康や美容に敏感な海外セレブやトップモデルなどからも愛用されているのです。
- データ参照:USDA|FoodData Central Search Results
スピルリナの効果効能
豊富な栄養素を含むスピルリナですが、近年ではさまざまな効果効能に対する研究が進んでいます。
- 抗酸化作用
- 抗ウイルス効果
- 抗炎症作用
- 抗糖尿病効果
スーパーフードの多くはダイエットや美容目的に利用されることが多いですが、スピルリナにおいては期待される健康効果の高さにも注目が寄せられています。現段階では動物実験に留まる研究報告も見られますが、近い将来ヒトへの効果立証も期待されているのです。
抗酸化作用
スピルリナに含まれる植物性色素(フィコシアニン、クロロフィル、カロテノイドなど)には強い抗酸化作用があることが知られています。
これらの成分は、酸化ストレスを受けている最中に発生するフリーラジカルという有害物質を無効化。スピルリナを摂取し続けることで、抗酸化作用によるエイジング対策が期待されます。
抗ウイルス効果
スピルリナにはカルシウムやスピルランといった硫酸化多糖が含まれています。これらの成分は、インフルエンザA型ウイルスやHIVなどのウイルスの複製を阻害。抗ウイルス効果が期待できるといわれているのです。
ただしこの研究は人体実験ではなく、培養液やマウスにおいての実験に由来します。そのため現段階ではヒトに対しても効果があると断言はできません。
抗炎症作用
スピルリナから熱水抽出した物質を1日50ml、数週間~数ヶ月の間摂取し続けた実験において、体内に侵入した細菌などの異物を食べるマクロファージを活性化させるNK細胞の働きが増強した、という報告があります。
またスピルリナの成分であるフィコシアニンは、炎症作用のある物質の分泌を抑えることが報告されており、スピルリナによる抗炎症作用に期待が高まっています。
抗糖尿病効果
2型糖尿病患者25名に2ヶ月間にわたって1日2gのスピルリナを摂取させたところ、摂取させていない患者たちと比較して、空腹時と食後の血糖値およびグリコヘモグロビンが低下したという報告があります。
これにはスピルリナの豊富な食物繊維が作用したと考えられており、スピルリナには糖尿病の改善・予防に効果があると示唆されています。
スピルリナの摂取方法
スピルリナは一般的に錠剤や粉末状で販売されていますが、より摂取しやすいのは粉末タイプでしょう。スムージーに混ぜたり、おやつ作りの際に少量混ぜたりと、粉末タイプの方が汎用性が高くさまざまな用途で使用できるからです。
スピルリナは青のりのような味に硫黄っぽい風味があるなど、少々独特な味をしているため、人によっては飲みにくさを感じることもあるでしょう。そのため粉末状のスピルリナを、乳製品やチョコレート、カレーといった味の強い食品や味噌汁などの汁物に混ぜて食べるのがおすすめです。
スピルリナの注意点
スーパーフードといえど、スピルリナはあくまでも食品であり、医薬品ではありません。身体によい効果効能をもたらすことを担保するような万能な食品でもありませんので、過剰摂取などには十分にご注意ください。
1日の標準摂取量 | 2~6g/日 |
起こりうる症状 |
|
摂取を控えた方がよい人 |
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スーパーフードとして注目されるスピルリナですが、摂りすぎはよくありません。1日あたり6gを上限の目安としましょう。
健康な人が適切とされる範囲内の量を摂取していたとしても、スピルリナによってアレルギー反応などの症状を発症することがあります。異常が見られた場合は、医療機関へご相談ください。
なお、スピルリナには血液凝固作用のあるビタミンKが含まれており、血液をさらさらにする抗血栓薬との相性はよいとはいえません。また、妊婦や授乳中の方においては、胎児や赤ちゃんへの影響がないことが科学的に証明されているわけではないため、摂取を控えておきましょう。
健康面の補助食品としてはヘンププロテインもおすすめ
先述のとおり、スピルリナは少々味が独特で飲みにくいという意見も見られます。併せて検討いただきたいのが、スピルリナにも負けず劣らずの健康効果が期待される次世代のスーパーフード、ヘンプです。
ヘンププロテインは麻の実を原料とした植物由来のプロテイン。麻と聞くと大麻を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、ヘンププロテインに使用される原料には抗精神作用は含まれていないため安心して摂取いただけます。
またヘンププロテインにはスピルリナと同様に、良質な植物性タンパク質が豊富に含まれているほか、必須脂肪酸であるオメガ3や6、食物繊維、ミネラル分の含有量においても非常に優秀な食品です。
加えて葉酸も含まれており、授乳中の方や妊婦の方からも注目を集めています。
さらにヘンププロテインはナッツのような香ばしさがあり、味にもクセはありません。スピルリナの独特な味に抵抗があるという方も、ぜひヘンププロテインを一度お試しください。
【関連記事】ヘンププロテインとは|ダイエット・整腸効果や副作用、味と飲み方を解説
まとめ
スピルリナは、「スピルリナだけ食べても生きていける」といわれているほど高い栄養価を誇るスーパーフードです。美容のみならず健康面での効果にも期待が寄せられているため、身体のケアを目的としている人にも最適な食品となるでしょう。
しかし少々独特な味と匂いがあり、人を選ぶ食品でもあります。スーパーフードといえども、1回摂取した程度ではその効果は発揮されず、一定期間の継続が求められます。
そのため飲みやすさ、食べやすさも重要なポイントになってきます。その点、匂い・味、ともにクセがないヘンププロテインであれば、無理なく継続できるでしょう。
スピルリナとヘンプ、成分表などをもとに比較検討しながら、自分にあったスーパーフードをご選択ください。